「どうせ嫌いなんでしょ」

自己愛性人格障害者は、

たまに「どうせいなくなればいいとか

思っているんだろ」

「どうせ嫌いで憎いんだろ」

という言葉を被害者に対して向けることがあります。

 

しかし自己愛性人格障害者は、

他人が自分に対して

「いなくなってもいいという評価」を下しているとか

自分は憎たらしいと思われているとか

そういうことは理解できませんし

本気でそう感じることは出来ません。

 

この言葉はどちらかというと、

自分に対して悪意を持っているんだろ、

わざと自分の足を引っ張るようなマネをしているんだろう、

という意味を持ちます。

 

自己愛性人格障害者が被害的になるためですね。

 

自己愛性人格障害者は、

「自分のことを嫌いなんだろう!」

と、疑心暗鬼になっているわけでもありません。

誰かが、ターゲットが、自分を忌み嫌っているという事実を

少しでも感じ取ってしまえば、

それは「嫌われてしまうようなことをしている自分」

「人から恨まれているような完璧でない自分」と

直面しなくてはなりませんから、

それでは自己愛性人格障害というのは

破綻してしまうのです。

 

なんとかしてそういう事実をマトモに見ることは

避けようとするのがこの障害ですね。

 

自己愛性人格障害者は相手の愛を確かめるための

試し行動のためにモラハラをしている

わけではない、

ということは覚えておきましょう。

 

自己愛障害の臨床―見捨てられと自己疎外