人の話をまったく聞いていない

自己愛性人格障害者というのは

人の話を聞いていません。

 

相手との会話の中で

重要視しているのは、

「今、こいつはこちらの価値を貶めるような

発言をしていないか?」

ということです。

 

ですから、自己愛性人格障害者は

「自分がいかに優位に立つか?」

「こっちが劣っているような発言をしていないか?」

というところだけに着目しているのです。

 

ですから

相手がただ単に「この職業に就いています」と話しただけでも、

「こいつは仕事について自慢している。

こっちはもっとすごい仕事に就いているんだぞ」

「こいつは偉そうに自分の職業を紹介していたが、

その仕事がいかにばかげているか

教えてやらなくては」

というような考えにいたることもあるのです。

 

それは、自分が劣等感を抱かないための、

自分の現実を見ないための

自己愛性人格障害者にとっては大事な作業になります。

 

ですから、相手が

「自分はこういう仕事をしています」

という自己紹介の真意を、

悪いほうに受け取ってしまいがちなのです。

 

相手はただ自分の仕事を紹介しただけです。

ただそれだけのことなのに、

何か意図があるのだと探ろうとします。

 

被害者が、自己愛性人格障害者の思い通りに

動かなかったとして、

たとえばいつも準備している自己愛性人格障害者の

好きなものをたまたま準備していなかったとします。

 

自己愛性人格障害者は、これをわざとだと考えます。

わざとだと考えたほうが、

自己愛性人格障害者は相手を思い切り

攻撃できるからですね。

どこまでも、自分は悪者にはなりたくないからです。

 

そういうとき、被害者がいくら

「そんな意図はない」

「だってわざとする意味がないじゃない」

といっても、そんな言葉は

自己愛性人格障害者には届きません。

 

その代わり、

「こいつは自分に対して口答えしている」

というところだけに着目するでしょう。

 

自己愛性人格障害者というのは、

人の話や人の心を聞こうとはしません。

人の思いを聞こうとしないのです。