自己愛性人格障害者の「治った」という言葉

自己愛性人格障害者が、珍しく

自分の自己愛性人格障害を認めることがあります。

あるいは、自分がしてきたことは恥だ、

自分がやってきたことは犯罪行為だ、

などと自分の非を認めるような発言を

してくることがあります。

 

それは、大抵の場合被害者が

離れそうな場合、

こうやって謝罪しないと戻ってこないであろうと

言う場合に、

自己愛性人格障害者は簡単に自分が折れたような

言い方をするのです。

 

ですから自己愛性人格障害者というのは

自分の非を絶対に認めないわけではないのです。

もちろん自分の心の中では

絶対に認めていないし認めることが出来ないからこそ

自己愛性人格障害者なのですが、

口や表面だけは、いくらでも謝罪することが出来ますし、

「自分は頭がおかしい人間だ」とか

「自分が大間違いだった」と

いえます。

 

それは口だけですむからです。

思っていなくてもどれだけでも

泣いて自分の非を認めることさえあります。

 

なぜならそうすることで

被害者が戻ってくる自信がありますし、

戻ってこないとこんなに打ちひしがれて

謝っている自分を見捨てることになるぞ、

それは人としてどうなんだ?道理にかなって

いないのではないか?

という十分な脅迫にもなりますから。

 

被害者はまじめに

自己愛性人格障害者に、なぜ離れたかを伝えます。

だいたいはこれもまじめに

「あなたは自己愛性人格障害者だから」とか

「あなたの酷い行いについていけなくなったから」とか

ウソをつかずに、正直に話すでしょう。

 

ところが自己愛性人格障害者は

被害者が辛い目にあっているなんて

思ってもいませんから、

「ああ、じゃあ自分の酷い行いとやらを

治したことにしてしまえばいいんだな」

と判断し、

治った人間、治すためにがんばっている

人間に扮することだけ徹底します。

 

被害者がここで

「あなたが治っても戻ってくるかどうかわからない」と

言ってしまっても

「それでもがんばる」とけなげなフリをするかもしれませんし、

「お前がそういう態度ならもうがんばる意味がない」

とまるでそれ自体も被害者のせいにするかもしれませんし、

「どうせ酷いことをされたなんてただの口実で

浮気しているんだろ」

とこれも被害者のせいにしてしまうかもしれません。

 

とりあえず自己愛性人格障害者の治ったとかいう

言葉は、

だいたいモラルハラスメント思考がぴたっとやむような

ものではないのですから、

信じないほうがいいでしょう。

なぜ治ったということを被害者に簡単に

伝えられるかというと、

治ったと伝えることで

「酷いことをするからお前は離れると

言ったのだから、お前はもうこれで

自分と離れる理由はないぞ」

と言っているのと同じなのです。