現実逃避し続ける

自己愛性人格障害者というのは

現実逃避の連続で、

その中を生きてゆきます。

というよりも、

人生そのものが現実逃避のために

生きざるを得なくなってしまっている、

といったほうが正しいでしょう。

 

そもそも現実逃避とは何か

 では現実逃避、とはどういうことなのでしょうか。

その名の通り「現実を見たくない」がために、

自己愛性人格障害者はありとあらゆる

「心理的な策」を講じます。

 それが防衛機制ですね。

 

現実、というのは

「失敗することもある自分」

「自分は人間なのだから失敗することもある」

という事実でもあるのですが、

 

それが大きな失態であり、罪であるという

誤解をしている自己愛性人格障害者にとって

そういう現実は自らを否定せざるを得ない

ものとなります。

 

つまり、「生きているだけでひどく辛い」状態ですね。

 

 

 

 

 

現実なんてものは、

生きている以上直面しないといけない事実の連続です。

生を維持するために食べなければなりません。

食べるためには食事を準備しなくてはなりません。

食べ物を買うためにはお金が必要です。

お金を持つためには働かなくてはなりません。

働いているうえでは個人での責任も

持たなくてはなりません。

 

その連続で、人生が成り立っていきます。

しかしその現実の連続に対して、

逃避をし続けるのが自己愛性人格障害者です。

 

そして現実逃避をして、責任も回避し続けているはずなのに

辛さは全然消えません。

自己満足にひたって恍惚としている状態も

一瞬で、

ずっと幸せそうにしている自己愛性人格障害者は

まずいません。

なぜか?それは、ストレス回避や現実逃避自体が、

現実問題を処理するよりももっと大きなストレスを

生むことを、

本人たちは気が付いていないからです。

 

 

ストレス回避は大きなストレスを生む

ストレスを避けて生きていくほうが

いい、

といったような考えは主流ではなくなってきています。

むしろ、異様にストレスを怖がり避けようとすることで

より人は追いつめられていくものです。

 

ストレスから完全に逃れる術はありません。

ところが自己愛性人格障害者はその完璧への執着心ゆえに

自分にかかるストレスや責任をすべて無くそうとします。

 

それが、被害者に降りかかってくるわけですね。

 

 

そもそも自分を尊大で、

完璧で、ミスひとつなく、

間違えることなく、

誰にでも分け隔てなく優しい

人間で、

すべての責任がとれる・・・

そういう人間だと思っている時点で

完璧ではないのですが、

 

自己愛性人格障害者の場合は

その矛盾に気づかずに

生きていかなくてはなりません。

人は完璧ではなくても

生きていけるのに、

そんな状態で生きていく恥に

耐えられないのが

自己愛性人格障害者です。

 

ですから等身大の自分に

いつまで経っても目を向けられずに、

現実逃避して生きていくしかありません。

そしてその現実逃避を助けるのが、

自己愛性人格障害者の

モラハラ思考なのです。

モラルハラスメント思考にて

誰かのせいに出来れば

責任をとれない自分から

逃れ続けることが出来ます。

 

精神疾患は現実と妄想の境目がつかず、

現実検討能力が著しく低下した状態なのですが、

自己愛性人格障害者も対人コミュニケーション下では

同じように、現実感というものを失います。

日常生活上は妄想に支配されずに済むのに、

他人が介入してくると、

被害的な妄想じみた考えに支配されてしまう、

あるいは他者はみな自分を陥れようとする

非常に醜い人間であるという考えから

離れることができなくなります。

 

自己愛性人格障害者は

現実世界ではもちろん完璧な人間では

ありませんから、

間違ったりすることも

あくどいことを考えたりすることも

ずるいことももちろんあるのです。

 

 

 

現実から完全に逃げることなどできない

ですが

それは当たり前の話で、

それは誰しも当てはまることです。

しかし自己愛性人格障害者にとっては

その現実は受け入れがたいもので、

絶対に許されることのない現実です。

完璧でない自分など、

恥でしかないということを

信じきっているのですから。

だからこそターゲットが必要なのです。

 

自分の思い通りに染められそうな

ターゲットならば、

必要に応じて自分の身代わりになって

責任を負ってくれますし、

率先して動いて自分の手間を省いてくれるでしょう。

そうやって自己愛性人格障害者の現実逃避の

手助けをするのがターゲットの役割です。

ターゲットがいるからこそ、

被害者よりも完璧に、

正しく、

優しい自分でいられるのですから。

そしてモラルハラスメント思考を

し続け、

どんどん相手を卑下する力が

強くなり、抑制できなくなっていくうちに、

より自分は強大で、よりすばらしく、

際限なく上に行くことができるように

感じていきます。

 

そうして、自己愛性人格障害者は

どんどん現実からかけ離れた

自分自身へと目をそらしていくのです。

 

ただこれも当然ですが、

現実逃避というのは自己愛性人格障害者の

精神世界で行われることであって、

本当に現実から目を背けることなどできません。

誰しも、平等に、現実問題がやってくるのですから。

 

現実逃避のクセは連鎖していく

 

自己愛性人格障害者は幼少期より、

これ以上ないというくらいにストレスを抱えて

生きていっています。

ですからそのストレスを極限まで引き受け、

ストレスをもう抱えきれないくらいまでに受け止めて

心はボロボロです。

そのボロボロの心を守るのが

「防衛機制」でありモラハラであり、

その被害を被るのがターゲットであり被害者です。

 

自己愛性人格障害者はもうストレス回避の術が

心に完全に身についていますから、

その癖がとれるということはまずないでしょう。

 

そのストレス回避のための責任転嫁や攻撃性が

子どもに向けば、

その子どもはストレスを抱え込み、

その子どもがストレスを抱えきれなくなったら

再び親と同じような

「ストレス回避に対して極限までこだわる」ような

生き方しかできなくなる、つまり

現実逃避し続けるようになります。

 

こうやって、連鎖していくのです。