愚痴が多い

自己愛性人格障害者は

愚痴が必然的に多くなります。

 

自己愛性人格障害者の愚痴というのは

いくつか意味を持ちます。

自己愛性人格障害者が愚痴を言うとき、

誰かの評判を落としたいときとも

いえますし、

自分が被害者の立場を

貫きたいときともいえます。

もし誰かの評判を

落としたいときであれば、

ちょっとした愚痴を言いながら、

相手に後は想像させるという

手法をとったりもします。

はっきりとした愚痴は

悪口ともいえるからです。

 

自己愛性人格障害者は

ターゲットと最初関わりあうときや

まだ親しくない人に

何かを伝えたいときなど、

直接的な悪口を言うことを

避けようとする場面が

見受けられます。

 

「あの人から

ああいうことを言われたり

こういうことを頼まれたりする。

そういえば、別の人も

あの人にいろいろ頼まれたことがあると

言っていたしなあ・・・」

と言えば、

 

「あの人」は

他力本願で迷惑なことを

他人に押し付ける人であると

愚痴を言われた人が

勝手に想像するでしょう。

 

自己愛性人格障害者はこのとき、

「いろいろ言われて

いろいろ頼まれた、

他の人にもそんな風にして

頼んでいると聞いた」

と言っているだけです。

「人に頼ってばかりで迷惑なやつだ」

などという直接的な悪口は言っていません。

 

悪口を言っただろう、といわれても

逃げられます。

自己愛性人格障害者は、

そういう風に人の評判を操作することも

できるのです。

たとえば社会人なら

頼みごとや頼まれごとなど

仕事上で何度でも行うでしょう。

 

それだけでも、

自己愛性人格障害者は

「他人に頼みごとばかりして」と

愚痴を作り出すことができるのです。

「他人に頼みごとばかりしている」

というのは事実だからですね。

 

そんな当たり前のことでも

愚痴として成立させます。

 

そしてもうひとつは、

自分が被害者であり

非常に苦労している、ということを

主張したいときといえます。

こういうときは、

はっきりした口調で愚痴を

いうことが多いです。

「あいつはいつも連絡が遅いな、

もう何度目だ」とか

「いつもこういう目にばかり合わされて

もう疲れたなあ」とか。

たとえば勤め人のターゲットが目の前にいるのに、

「いつも自分ばかり疲れてるなあ、

勤め人なら会社に行くだけでいいから

楽でいいな、会社に属さない人間のつらさが

わからないだろうなあ」

とわざわざ言ったり、

 

専業主婦のターゲットに

「いつも家にいるだけで金が入って

くるんだから楽でいいな」

といったりします。

 

はっきりとした口調で

そういう愚痴をいうことで、

被害者に対して精神的ダメージを

与えようとします。

ただ、むしろそういう愚痴を

言うときは被害者意識が強くなっているときですから、

精神的ダメージを受けているのは

自己愛性人格障害者自身だと思い込んでおり、

文句のひとつやふたつ言わせろ、

という心境でいることが多いのです。