一人ではいられない

自己愛性人格障害者というのは、

一人ではいられません。

自己愛性人格障害者は、

ターゲットと一対になってようやく

「自分」というものを保てます。

 

これは、

ターゲットがまったくいない時期は

死んだようにしているとか、

一人の時間をまったく過ごせないとか

そういうことではありません。

あくまで、

「自分を投影できる誰か」

が必要なのです。

 

自分を投影できる誰か、ですから、

明らかに自分を持っていて、

明らかに自分とはまったく考えが違う人間だと

最初から何度も思い知らされるような

人間だと困ります。

ですから、従順な人間がいいわけですね。

 

そして自分のあくどい部分を

引き受けてくれる誰か、です。

比較対象になってくれる誰か、

ともいえます。

なぜ自己愛性人格障害者が一人で

いられないかというと、

自己愛性人格障害者が一人になってしまうと

どうしても「自分」というものと対峙しなくては

なりません。

 

ただ等身大の自分というのは、

ただ無価値な自分と思っていますし、

そもそもの自己像もぼやけていますから、

一人でいると、

自分が何者なのか、

自分がどういう人間なのかも

よく分からなくなってしまいます。

そういう事態を、

自己愛性人格障害者は避けたいわけです。

なぜなら本来、自分そのものには

何の価値もないと思っているのですから。

 

そういう自分と対峙していれば、

結局自分を保てなくなってしまいます。

ストレスを処理してくれる人、

責任を転嫁しそれを引き受けてくれる相手、

自分を見なくてすむ相手、

比較し自分が優位に立てる、

正義になれる相手。

そういう相手が必要なのです。