自己愛性人格障害者は恋愛できない

自己愛性人格障害者は、恋愛できません。

自己愛性人格障害者と交際や結婚をしている、また

過去にしていたという人達は分かるかとは思いますが、

彼らはある時は情熱的に、ある時は嫉妬深く

被害者に対して強い執念を見せます。

恋愛上手といってもいいくらいなほど、自信家で野心家で

人を引き付けるような魅力を放つこともあります。

ですから他人に対して短期間で、ロマンチックで溺れるような

恋愛を経験させてくれることもあるでしょう。

ですから、激情に誤魔化されてさも激しい愛や恋を求めているかの

ように感じますが、

自己愛性人格障害者は他人の実態というものを把握することが

できません。

彼らにとってのターゲット、愛すべき人間というのは

「自分の自己愛を満たしてくれる人」

「自己愛的自分のままでいさせてくれる人」です。

つまり、現実逃避をするのにうってつけの相手を選ぶということです。

逆にいえば、“そういう人間ならば”誰でもいいということでもあり、

相手の特色とか、本来の趣味嗜好とか、ターゲットの個性は

そっちのけで“そういう人間”に仕立てあげてしまいます。

ターゲットもまた、自分が無個性だと感じていることによって

相手が望むような人間になりたい、と自分を“そういう人間”に

寄せていくことすらあります。

彼らは、その支配性によりしばしば強烈な嫉妬心（のようなもの）を

見せます。

ですが、彼らの嫉妬心というものは基本的な根拠がないため、

相手がどういう人間であろうとも

「浮気をするような不埒な人間」ということにしてしまいます。

どれだけ惚れ込んだような様子を見せても、

「お前こそ、今度こそ本物の愛だ！」と思っていても、

その惚れこみが「自分を不愉快にしない、思い通りになってくれる、

唯一の救世主だ！」というような期待から来るものでしかなく、

その期待の枠に相手を当てはめているだけなので、

ターゲットが自己愛性人格障害者の快・不快を

コントロールしてくれないようだと一気にその期待は崩れ、

ターゲットは「自分を裏切った」非情な人間として認定されます。

そうなると、ターゲットがどう振舞おうと気に食わない。

完璧でない相手が気に入らない。

何度も何度も自分の思い通りになってくれるように操作している

はずなのに、プレゼントもあげたはずなのに、

これだけ自分は相手のことを心配してやっているのに、

それに対する恩返し（コントロールされること）すらない。

こちらのことだけを考えず、自分の都合や、周りとの付き合いとか、

そういうことばかりを考えている。

そういう思考にどんどん偏ってきます。

自己愛性人格障害者に、健全な恋愛というものはできません。

それは常に支配になり、それゆえターゲットというのは自然と

その支配下に置かれる人間にしかならないのです。