ごますりも出来る

自己愛性人格障害者が

すべての人に対して

高圧的であるか、上から目線であるかというと

そうではありません。

 

自己愛性人格障害者は、相手に対して

へりくだることもできるのです。

自己愛性人格障害者は、

「心の中で」人よりも上に立てれば

いいだけです。

 

逆に言うといくら上の立場にいても、

自分の心の中で「こいつよりも上だ」

と思えないと困ります。

そもそも自己愛性人格障害者が

誰に対しても横柄な態度だと

「ただの傲慢な人間」に映るのは

目に見えていますから、

自己愛性人格障害者は

自分がそういう風にみえないよう、

上下関係はしっかりとしているように

言動に気をつけることが多いです。

 

上の立場の人間にも

えらそうにしていれば

おかしいですが、

下の立場のものにはいくら

高圧的になっても、

「厳しいだけ」とすれば

いくらでも自然に出来ますから、

下の者に対しては

偉ぶった態度をとったり

圧力をかけることが多いでしょう。

 

しかし、

自分の上の者にごますりを

しておいた方がいい場合は

いくらでも相手を立てることができます。

それは、

自己愛性人格障害者は形だけは

誰かに優しくしたり

誰かを尊敬したり

することが出来るからです。

 

つまり、行動と心は

別のところにあると言っても

おかしくはありません。

 

このとき、

自己愛性人格障害者の中では

「反動形成」という防衛機制

働いていることが多いです。

 

優しくしたくもない人間に、

特別優しくしたり、

尊敬したくもない人間に、

とても大げさに褒めたたえたり

あなたのほうが上だと

持ち上げたりします。

 

やはりその根底には恨みが

あるのですが、

その恨みを隠して

自分の演じたい自分として

接することでも

自己愛性人格障害者は

醜い自分の姿を見ずに済みますから

自分の心を守ることには

なるわけです。