断片的な自己

自我統一がなされないと、

自己というのはとても断片的になります。

自我同一性がなされていない、

つまり自己が断片的なまま、統合されていないということになります。

自分の性格や特色。特性、資質。自分の携わっている職業。

 

自分の考えや自分の趣向など、それら自分を作り上げる要素が

断片的になります。

 

そして、他人にたいする評価も断片的になります。

どういうことかというと、

「こういうことができないパートナー」は、

パートナーとしての役割を果たしていない、

劣った人間性というものだけに着目します。

 

人間、誰しも欠点はありますしできないこともあります。

それは能力的な問題もあるでしょうし時間的な問題もあるでしょうし、

事情によりできないこともあるでしょう。

 

しかし、自己愛性人格障害者や境界性人格障害者は

それらの要素が「その相手のすべて」のような

気がしてしまいます。

 

何かの欠点があれば、その相手の人格自体が不完全であり

みっともない、劣った存在。

というような感覚に陥ってしまうのです。

 

自己愛性人格障害者は、

自分が立派だと思う仕事に就いていれば

それ自体がすばらしい自己を獲得できたような

気になります。

その仕事に就いているだけで、

「自分自身がすばらしい人格である」というような

気になってしまうのです。