敵愾心

自己愛性人格障害者の持つ攻撃欲を一言で表すと、

「敵愾心」という言葉がとてもしっくりくるでしょう。

 

敵愾心(てきがいしん)というのは、

敵に対して怒りを燃やし、これを倒そうとする・・・・と

いう意味を指します。

 

ところで、敵というのはこの場合誰かというと、

ターゲット(パートナー、交際相手)や子供、

あるいは社会に対してですね。

 

そして、パートナーも子供も、社会も、普通に

生活を過ごそうとしているのに対して、

自己愛性人格障害者というのは

その「普通」を嫌がります。

 

そして「それは非常識である」「空気が読めていない」

「まるでこちらの心情を理解しようとしていない」。

というような言葉で批判してくるでしょう。

 

自己愛性人格障害者は、

普通を嫌います。そしてあなたの普通は、

実は普通じゃないんだよ、異常なことなんだよ、

とても非常識なことをしているんだよ・・・と教え込みます。

 

それはそうですね、

自己愛性人格障害者というのは

常に誰かの欠点をあげつらおうとしています。

そうすることで、自分のミスや欠点からは

目を背けることができて、

相対的に見て自分が正しい人間として

生きていくことができるからです。

 

しかしそれも刹那的なものですから、

次から次へとあなたのあれは問題だ、これは問題だ、

こういう態度は・・・・とどんどん他人の「普通」を

欠点として暴いていかなくては

気が済みません。

 

自己愛性人格障害者にとって、

周りは敵です。

なぜなら自分自身が、敵愾心を持って接するしかないのです。

それほど精神的な脆さを持ち合わせていて、

誰かにやられれば最後、精神的な崩壊を招くと

本能で感じ取っているのです。

ですからやられる(精神的ダメージを受ける)前に

やらなくてはなりません。

そのための敵愾心なのです。