自己愛性人格障害者の起こす被害妄想

自己愛性人格障害者のターゲットは、

自分が被害を被っているのに、

なぜか攻撃をしている側である

自己愛性人格障害者自身が

被害者のような口ぶりで攻撃してくるのを

不思議に思うことがあります。

 

急に不機嫌になり自分から攻撃してきたのに、

自分を攻撃してくるな!

嫌がらせか!

いつもこんな目にあわせやがって!

わざとだろう!

といいながらさらに攻撃してくるのです。

 

これは、自己愛性人格障害者の被害妄想が関係してきます。

今回はその原理をお伝えします。

 

被害妄想というのは、

「実際に被害を被っているわけではないのに

被害を被っているように感じる」妄想です。

もちろん、被害を被らせている相手は

ターゲットということになります。

被害を被っていると思ってしまうのですから、

自己愛性人格障害者はこのとき、

「こいつはわざとやっている」

「故意に嫌がらせをしている」と

思い込みます。

 

たとえば、

ターゲットが何かミスをしたとします。

人間だからミスは

誰にでもあります。

そのミスが、

自己愛性人格障害者の予定を

狂わせたとしましょう。

「ターゲットと自己愛性人格障害者が

一緒に出かける予定でいたのに、

その予定時間が1時間ほど遅れた」

とか、そんなものでも

自己愛性人格障害者にとっては

相手の立派なミスになります。

 

その些細なミスを、

自己愛性人格障害者は逃しません。

ターゲットをここぞとばかりに責める

材料にするでしょう。

 

しかし、

自己愛性人格障害者はこのとき、

「ミスを責めてやろう」

という気持ちでやっているわけでは

ありません。

自己愛性人格障害者は、

「予定が狂わされた」ということに

怒っているのです。

もっと深いところをつつくと、

「予定が思い通りにいかなかった」

ということに対して

非常にストレスを感じ、

そのストレスはお前の責任だと

責めているということになります。

 

しかもターゲットのミスで思い通りに

行動できなかった、のではなく、

わざと自分を不愉快にさせるために

ミスをしたように見せかけて

予定時間よりも1時間遅らせたのではないか?

いや、きっとそうに違いない。

とまで考えます。

 

さらにここで、

出かける直前に宅配物でも届いたら?

出かける時間はさらに3-5分くらいは

遅れるかもしれません。

自己愛性人格障害者は、

「こいつらは結託して

自分を不愉快にさせようとしているのでは?」

とまで考えることがあります。

 

当然ですが

宅配員とターゲットには何の関係もないと

考えるのが普通です。

ですが、自己愛性人格障害者は

いったん被害妄想に陥ると、

どこまでもその関連性を追います。

その宅配物がターゲットに対して

送られてきたものだったら、

「こいつは自分を怒らせるために

わざとこの時間帯に設定したのではないか?」

「自分をなめているのでは?」

と考えることもあるのです。

 

これが、自己愛性人格障害者の

被害妄想です。

その被害妄想を元に、

ターゲットに対して攻撃します。

自分は被害を受けている側なのだから、

こいつは攻撃されて当然である。

という考えのもとで、です。

 

ですから、自己愛性人格障害者は

自分がその怒りを元に

相当な攻撃を繰り広げるのに、

自分は被害者であり被害を受けているのだから

攻撃し返すのは当然だ、と考えます。

 

実際はただ

「ターゲットの都合で予定が遅れた」だけなのですが、

そこからどんどん派生して

「こいつはわざと遅らせたのでは?」

「結託しているのでは?」

「みんな自分の邪魔をしようとしているのでは?」

とどんどん被害的な妄想をめぐらせるのが

自己愛性人格障害者の特徴のひとつです。