自己愛性人格障害者のアイデンティティはどうなっているのか

「自己愛性人格障害」

という名称の中に

既に答えは出ていたりするのですが、

 

自己愛性人格障害というのは、

アイデンティティが自己愛的に摩り替わってしまう、

という意味でもあります。

 

アイデンティティというのはものすごく簡単に言うと

「どんなときどんな状況でもその人らしさを

持ち合わせていること」

ですから、

 

そのその人らしさというのは

本来、状況や損得などによって

コロコロと変わるものではないわけです。

 

アイデンティティというのは、

「自己が環境や時間の変化に関わらず、

連続する同一の者であること、

主体性。自己同一性」です。

 

これらのアイデンティティというのは

12歳~22歳の青年期にかけて確立すると

言われています。

 

このときはこういう考えでいたほうが得だから、とか

こういう考えでいたほうが自分が傷つかなくて

済むから、

といった自己愛性人格障害者のように

意志ややりたいこと、やりたくないことは

コロコロと変わるものではありません。

 

その人のやりたいことというのは

一貫性があるものです。

 

自己愛性人格障害者は、

自己愛に執着せざるを得ないが故に、

そのために自分の信念や意見を

一貫性のないものに変えてしまいます。

 

あるときは「自分はこういう人生を送るという

目標を強く持っているんだ!」

と何度もいいながら、

まるでそんな目標とはほど遠いような

行動をとったりもします。

 

またアイデンティティというのは

他人に自分がどういう人物像で、

自分が考えている自分という人物像が

ある程度一致しているという実感を持つこと、も

含まれます。

 

ここでも、

自己愛性人格障害者というのは

アイデンティティの確立が失敗しているということを

あらわしています。

 

自己愛性人格障害者というのは

完全に「自分らしさ」を無視して、

自分とはこういう人間でなくてはならない、

という理想像がまるで現実のもののように

捉えられてしまい、

自分らしさを否定しつづけているのとおなじですから、

アイデンティティの確立とは

程遠い位置にいるのです。

 

それは、アイデンティティを確立させるための

時期に自己愛性人格障害者のそばに、

その確立を阻害してきた人物がいるからに

他なりません。