約束を守れない自己愛性人格障害者

自己愛性人格障害者は、

約束を守れないことが非常に多いです。

 

なぜかというと

「約束」というのは

「守らなくてはならないもの」であり、

それだけで時間の制約・物理的な制約を受けますし、

責任が生じるものです。

 

ところが、

自己愛性人格障害者というのは

ありとあらゆる「責任」から

逃れたい障害です。

その責任が重ければ重いほど、

逃れようとする意識は高まるでしょう。

 

ですから、

自己愛性人格障害者は自分のことを

「約束を守れる人間」

「ルールはしっかりと守り、責任は果たす人間」と

思っていますから、

約束は簡単にしてしまいます。

 

ですが実際はそういう人間ではなく、

むしろ普通の責任さえとれない人たちなので、

約束を破ったりしやすいのです。

ところが、

ただ約束を守らないだけでは、

自分を傷つけます。

 

なぜなら自己愛性人格障害者自身は

「約束を守らないような人間」というのは

間違いなく悪ですし、

約束を守っていない自己愛性人格障害者のほうが

悪であると判断されるのは明らかですよね。

 

 

ですから、

非難されないように、

「その約束は意味のないもの」

「本当はその約束に同意はしていない」

「約束を守れないほどの大きな理由がある」

ということをアピールし、

「自分は責任のとれない人間だから

約束を守れないわけではない、

ただ守れない理由があっただけだ」

ということにします。

 

それが自己愛性人格障害者にとって

定石です。

 

酷い場合は、

そもそも約束自体をなかったものとして

みなします(否認)。

 

それも自己愛性人格障害者の

防衛機制のひとつなのですが、

記憶としては存在しているのに、

心が約束自体を認識しないように

してしまい、

まるでそんな約束をしていないかのように

振舞ってしまいます。

 

被害者はここで「記憶障害なのか?」

「認知症なのでは?」

「嘘をついている!」と考えてしまうのですが、

自己愛性人格障害者にとっては

心が約束があったという事実を

認識するのを避けてしまっているから

こういうことになるわけです。

 

自己愛性人格障害者の頭の中ではしっかりと

約束をした記憶自体は残っています。

それ以外は

約束を守れないほどの理由があった、

ということをアピールします。

 

「忙しい」

「体調が悪い」

「そもそもその約束自体に納得していなかった」

「強引に約束を取り付けられた、

こちらの都合すら聞かれなかった」

ということを、約束を破るたびに

毎回訴え続けるでしょう。

 

「忙しい」ということをアピールしたいなら、

さらに

「自分はこれくらい忙しく疲れている」

「お前はいつも暇そうでいいな、

いちいちそんな細かい約束のことまで

覚えていられるなんて」

ということも付け加えるかもしれません。

 

自己愛性人格障害者にとって

約束というのは、

するときは気軽にしてしまうものですが、

口だけで実行に移す力が極端に低い

自己愛性人格障害者にとっては厄介なものなのです。

 

 

モラル・ハラスメントの心理構造

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