このままではだめだ、という発想

ターゲットに選ばれやすい人間というのは、

自分自身への評価として

「このままの自分ではダメだ」と

感じていることが非常に多いです。

 

そしてそれに対する焦燥感から、

どうしようもない不安に襲われたり

怒りを覚えたりしがちです。

 

「どうして自分はこんなにダメなんだろう?」

「どうして自分は効率よく動けないんだろう?」

という、厳しい目を自分に向けています。

 

それはストイックさからではなく、

その厳しさがあればあるほど、

「本来の課題」から目を背けようとしている

気持ちの表れでもあります。

 

ターゲットというのは、

成長したいという気持ちはあるのですが、

その場にいる等身大の自分自身に目を向けることが

出来ません。

 

自分はみっともなくて、ちゃんと動けない。

だから成長しなくては。

もっともっと努力しなくては。と考えがちです。

そしてそれは強迫観念のように、被害者気質の人につきまとう

思考でもあります。

 

それは、自分に対して痛烈な批判をすることで、

自分は自分に対して罰を与えていて、

それ自体がすなわち成長につながるのだ、

という誤解から来ているものでもあります。

 

本来成長につながる課題から目を背けるために、

努力、とか忍耐とか

そういうものに目を向けようとするのです。

「頑張っている姿勢」をとることで、

本来の課題を回避しようとします。

 

なので、自分が本来どうダメなのかはわかっていません。

「とにかく自分はひどい人間で、このままではダメだ」と

思っていても、

そこから抜け出せないのです。

なぜなら、そう強く思うこと自体が

「自分はダメ人間だと自分でちゃんとわかっている」

という開きなおりにも似た状態であり、

そういう開きなおりがないとそれ以外に

どうしていいのか分からない、どういう手段を

とればいいのかわからない状態でもあるからです。

 

そしてそこにつけこんでくるのが

自己愛性人格障害者で、

彼らの「お前はダメ人間だ」という言葉が

余計に響いてしまい、彼らの言うことが

まるですべて真実のように感じてしまうようになります。