自己嫌悪という心理

自己嫌悪、とはその名の通り

自分自身を忌み嫌うことです。

 

自己評価が低い人というのは、

必ずこの自己嫌悪という感情もつきまとう

ことになり、

それと同時に罪悪感というのもどんどん強くなったり

責任感にがんじがらめになったりして

身動きがとれない状態になることもあるでしょう。

 

ところで、なぜ自分を忌み嫌うかというと、

もともとは自分の中に取り込もうとした

親や監護者・自分の中での立場が大きい人などから

「お前はそのままではダメだ」などといって

評価されなかったり厳しくされすぎたり

褒められた経験がなかったり(従順であることでしか

評価されなかったり)、

 

そういった経験を積み重ねるとその評価がどんどん

自分の中に取り込まれてしまい自分自身が自分に対して

下す評価に変わっていきます。

 

しかし、防衛機制を見てもわかるように

本来、人間というのは自分の心を守ろうとする

動きが働きますし、

自己愛的心理を経て発達していく自我を見てみても

「自己愛的感情」というものを完全に自分の中から

切り取っていくというのは本来

ありえないことです。

 

ですから、自己嫌悪しながらも生きていこうとする心理が

働いたり自分を守ろうとする心理が働いたりして、

「自分が嫌いとかいいながら、結局自分がかわいいんだ」

とかそういう心理に対してもさらに自己嫌悪に陥ったりして、

自分を守るシステムでさえも否定しようとします。

 

そもそもそれは人間が生きていくうえで本能とも

いえるものですから、

自己嫌悪があると結局は防衛機制・自己愛的思考と

共存しなくてはならないので

自分の中で「自分が嫌い」けど「自分がかわいい・

守りたい」という

矛盾が生じてしまいます。

むしろ自分が嫌いであればあるほど、

そういう辛さから自分を守ろうとする心理が働き、

より簡易的な快楽・依存を求めたり

責任転嫁をしようとしたりするので

余計に辛くなることになります。