自己愛的怒りとは

自己愛性人格障害者は

度々不機嫌になり、キレ、

人を罵倒し続けることがあります。

 

これは「自己愛的怒り」「自己愛憤怒」と呼ばれるもので、

自己愛性人格障害者の自己が危機に

晒されようとしたときに起きるものです。

 

もちろん、誰しも自分の尊厳が危ぶまれたり

自己を否定されると怒り出すのは

当然の心理といえます

(怒りを表現することによって

良くないスペースに踏み込んでいることを

相手に知らせたり、それ以上の

侵入を防ぐことにもなりますね)。

 

では普通の人の怒りと

自己愛性人格障害者の怒りの何が違うかというと、

 

「怒りを表出する頻度」と

「怒りのエネルギー」が格段に違います。

 

自己愛性人格障害者というのは

被害的な立場をとらないといけないため、

自分が被害的立場をとるために

どんな材料があるか?ということは常に

アンテナを張り巡らせてすぐに察知できるように

なっています。

 

たとえば、

一緒に食事に行っていた相手が

食事のみで「用事があるから」帰る、

と言うだけで

急に不機嫌になったり

何時間も説教したり

強い怒り・憎悪を相手に覚えることが

出来るでしょうか。

 

自己愛性人格障害者の場合、

食事だけでなくて何か用事を頼みたかった場合、

あるいは食事の後に別の場所で飲みたいと

考えていた場合、

「他人の驕りで何かしたい」と考えていた場合・・・

など、急に怒りだすことがあります。

 

それはすなわち相手の

「用事があるから帰る権利がある」

ということすら無視しているような

ものですが、

自己愛性人格障害者にとっては

「自分の思い通りにはならない」という

ストレスになり、

それは「自分は万能ではないという

現実を突きつけようとしている」

相手でしかないのです。

 

ただ断るだけで、です。

 

自己愛性人格障害者が「食事だけでも行こう」

と言っていた場合でも同じです。

相手が本当にそこで断ると

「何の意図も理解していない」

「食事だけ、ってそのまま言葉だけ

鵜呑みにするなんてコミュ障かよ」

と、恨みつらみの言葉を述べることもあるでしょう。

 

そういうときは、

自己愛性人格障害者が食事以外に

何か意図していることがあって、

それが思い通りにならないから

怒っている、

 

そしてそれは思い通りにならないだけではなく

彼らにとって相手が断っただけでも

「自分に対して攻撃してきている」のと

同じになるのです。

 

それはもちろん、

「自分は万能ではない」ということを

勝手に自己愛性人格障害者が感じてしまうからで、

相手はただ用事があるからそのまま帰らないと

いけないだけなのですが。