「他人のせいにする障害」

自己愛性人格障害は、

別名「他人のせいにする障害」ともいえるでしょう。

 

自己愛性人格障害者は自分にストレスを

かけている場合ではありません。

 

「自分のことくらい自分で責任を取ってよ!」

といいたいところですが、

それで責任をとれるのは健常者だけです。

責任を取れないからこそ

自己愛性人格障害者なのです。

 

そして、自己愛性人格障害者自体が

「いやだー責任なんかとらないもんね」と

それをコントロールしているわけではありません。

 

自己愛性人格障害者が責任逃れをしてしまうのは、

自己愛性人格障害者の心の仕組みが関係して

います。

 

すなわち自己愛性人格障害者の心はすでに

ボロボロの状態で、

とにかくそのボロボロの心を

防衛機制と呼ばれる心の防衛機能が

総動員で自己愛性人格障害者の心を

守っている状態なのです。

 

ですから、

自分で責任をとろうとすると

ストレスがかかって自己愛性人格障害者の

ボロボロな心が崩壊してしまいますから、

それを避けるために他人の責任に

してしまうわけです。

 

もうそれは、

自己愛性人格障害者が自分の心を守っていくための

本能ともいえます。

たとえば、

普通の人でも自分で負えそうでない責任になると、

「えーっ!それ、自分が言ったわけじゃないのに!」とか

「自分はこういう対策をしたほうがいいって

言ったのに、それを怠ったからでしょ!」

と責任転嫁をする場面はよくあります。

 

このように、自分の心を守ろうとする働きは

誰にでもあるのです。

 

ですが、健常者の場合は

「自分にも責任は少しある」

ということをよく理解しています。

 

そして他人のせいにしても、少しは

自分の責任だということが分かっているので、

心が痛みますし罪悪感もあります。

 

これは、口では責任を転嫁しながら自分の心が

責任を負っているからです。

 

しかし自己愛性人格障害者はこの

心が責任を負う、ということが出来ませんから、

口でも責任転嫁しますし心でも完全に責任転嫁

してしまいます。

 

そして傷つく代わりに

怒りくるうでしょう。

まるで自分の責任かのように仕向けた人間や

失態を犯した人間に対して

とにかく猛烈な怒りを向けます。

 

自己愛性人格障害者に責任を負わせるというのは、

それだけ危機的状況に陥るからです。

それだけ酷いことをしようとした人間に対しては、

たとえ些細なミスでも許すことは出来ません。

 

自己愛性人格障害者にとっては、

些細なストレスや重責でも命がけの事案と

いえるからです。

 

そして自分は大変な被害に遭ったと

怒り狂うことができるのです。