自己愛性人格障害者の失恋の特徴

自己愛性人格障害者というのは、

ストレスをとにかく避けたい生き物です。

失恋というのは、重大なストレスの原因ですね。

 

なぜなら自己愛性人格障害者でなくても、

健康な人だろうとなんだろうと

失恋というのは食欲が落ちたり気分が落ち込んだり、

ふさぎこんでしまうものです。

ですから、普通の人にとっても

失恋というのは出来るだけ経験したくない

事柄の一つです。

 

自己愛性人格障害者の場合はどうでしょうか。

自己愛性人格障害者というのは、

ストレスを他人に押し付ける、

他人のせいにするとお伝えしてきました。

ということは、

失恋も自分のせいではなく他人のせいです。

誰のせいか?というと、

大体は自分を振った張本人そのものであり、あるいは

別の誰かが邪魔しているのだ!

と考えるでしょう。

 

自己愛性人格障害者と別れ際に

非常にもめたり、

自己愛性人格障害者自身が諦められない特徴を

持つのもこのせいです。

失恋ということ自体をまず

受け入れないのが彼らの特性であるので、

「それは失恋ではない」

という作業に入らざるを得ません。

 

つまり、自己愛性人格障害者の行動

パターンにおいて、

「これは失恋じゃない(そもそも

自分が振られたのは相手が自分のことを

嫌っているからではない。

相手の家族に邪魔されたからだ、

本当は自分と付き合いたがっているのだ)」

というストレス回避の仕方をするか、

あるいは

「これは失恋ではないし、そもそも

相手にもてあそばれただけだ。

そういえば相手はこういう無責任な

行動を何度もとるようなやつだった」

というストレス回避をします。

 

どちらも、

失恋については認められません。

「自分は相手に必要とされていなくて、

だから振られた」

という事実は自己愛性人格障害者にとっては

まともに受け止めきれない事実です。

ですからなるべくその現実から

目を背けるように、一生懸命

「別の方向」に思い込もうとします。

 

それが、

「相手の家族のせいだ!

お互いに両思いなのにそれを阻んでいるんだ!」

という思い込みになったり、

「あいつは自分だけじゃなく他のやつにも

色目を使っていたな!そういうことか!

自分は騙されて、その上捨てられたのだ!」

という思い込みに発展する要因になるのです。

 

なぜそういう被害妄想が強くなるか

というと、

必死に失恋という事実をなんとかして

打ち消そうとする働きがあって、

その働きがそうさせるのです。

つまり失恋という傷が大きければ大きいほど、

その傷を感じないように一気に

逃避に移ったり、

攻撃的に移ったりします。

これが自己愛性人格障害者との

別れをもつれさせる決定打となり、

別に交際してもいない相手の誘いを

断っただけなのに

「そうか、やっぱり浮気をしているような

酷い人間なんだな、道理で尻軽なわけだ」

と痛烈に非難したり、

「お前の家族全員に復讐してやる」

と猛烈に怒ったりするということです。

 

特に自己愛性人格障害者の想い人に

新しい恋人などが出来たような場合は、

「やはり二股をかけていたんだな!」

と攻撃対象が出来たといわんばかりに

痛烈に批判し、場合によっては手をだすことも

ありえます。

それは自分が失恋したわけでなく

そもそも恋などではなくて、

ただ自分が弄ばれただけの被害者であると

いういい材料になるからです。

そういう材料があればあるほど、

自己愛性人格障害者は怒りに燃えることができ、

重犯罪へとつながることになる・・・と

いえるでしょう。