自分以外を見下す

「自分以外はみんなバカ」という

あからさまに他人を見下してしまう発想を

そのまま持ってしまうのが自己愛性人格障害者ですが、

基本的に他人を見下すようになるというのは、

傷つきすぎた人にもみられる心理状態です。

 

というのも、

傷ついた人というのはまた同じような傷を

自分が受けないように、何らかの形で自分自身を守ろうとします。

でないと、また同じように傷を負うことになるからです。

傷の程度が深いほど、よりなんとかして

同じ傷を受けないようにします。

その“何らかの形”の一つに、「人をカテゴリ分けして、

その人との接触を避けようとする」

「人を一括りにして、蔑もうとする」

というものがあります。

 

男性に騙されたなら、

「男はみんなクズだ!」と思ったり、

金髪の人にバカにされたなら「頭を金髪に染めるような

人間は信用ならない」と、

傷には直接的に関係のない人達まで

憎悪の対象としてしまいます。

 

そうすることによって、

自分が受けた傷は、悪意を持った人間の仕業であり

自分には責任はない、ただ騙されただけであるという

正当化をしたいと共に、

そういう人間に近づかないことで二度と同じような傷を

受けないようにするのです。

 

そしてそれが極端になってくると、

カテゴリ分けどころか「自分」か「自分以外」か

という二極になってしまい、

「誰も信用ならない」

「自分以外はみんな愚か者で、足を引っ張りあうことしか

考えていない」

という考えに至ります。