モラハラのハネムーン期

自己愛性人格障害者は、基本的にDVのサイクルと

同じようなパターンをたどると思っておいたほうが

よいでしょう。

 

モラハラとDVは明確な違いはありません。

ただDVという大きな括りの中に、

モラハラという精神的虐待が含まれているだけです。

 

そしてこのモラハラという精神的虐待は、

加害者側からすると「結果的に精神的虐待になっている」のであって、

「意図的に、そうしている」ということを認めない、また

被害者も「仕方なくこの人はキレているのだ、キレるしかないのだ」

と思わされているのが特徴です。

 

ですから、多くの人はDVに関して「悪意を持って、意図的にやるもの」

というイメージであったり、肉体的暴力のイメージが

強すぎるのであまりモラハラ=DVという繋がりが

意識しづらいのですが、

基本的には同じことです。

 

モラハラは身体的DVにも精神的DVにも、

そして経済的DVにもなりえます。

 

ここで、「モラハラ加害者がものすごく優しい時期」・・・

いわゆるDVでいうハネムーン期という言葉の壁がやってきます。

 

多くの場合、

「こんなに優しい瞬間があるのに、これでも自分が受けているのは

モラハラといえるの?」

「とても優しくしてくれる時もあるから、

良心がない人とは思えないんだけど」

という被害者の感情が目立ちます。

 

さらに、これを「ハネムーン期」といわれると、

違和感がさらに増します。

「ええ?ハネムーン期だなんて、DVじゃあるまいし」

「DV扱いされるのは嫌。モラハラはもっと複雑なものだから」

と思うのが普通です。

 

ところが、DVもモラハラも同じなのです。

いやー、さすがに身体的な暴力を受けたら、自分も別れるわ、

なんて思っている人ほど身体的な暴力を受けても

別れられません。

「致し方なかったのだ」とか、いくら許せないという

感情が沸き起こったとしても

「反省させて、二度と起こさないようにしよう」

と思うのが被害者の心理です。

 

モラハラ加害者の優しさが表面化する時期はただの

ハネムーン期でもありますし(もう二度と暴力・暴言はしない!

と誓い、断酒したりパートナーにくっついてきたり)、

普段からも優しいという人でもただそういう自分に

酔っている、誇大化した自分自身はそうできるはず

(優しくできるはず)と思っていて被害者に優しい言葉を

かけるけど、結局は優しくし続けられるほどの

精神的耐久性もないので、

結局爆発してしまう・・・ということの繰り返しになります。