罪悪感を感じやすい人

自己愛性人格障害者だけでなく、

あらゆる例で被害者になりやすかったり

巻き込まれやすいと感じている人というのは、

罪悪感を感じやすい特徴があります。

 

なんでもかんでも人のせいにする人がいる一方で、

なんでもかんでも自分のせいにしてしまう

人もいます。

 

こういう人は間違いなく、モラハラ被害にあったとき

真っ先に自己愛性人格障害者の言い分・・・

すなわち、

「あなたが適切な行動をしないせいで、

こういう事態になっているのだ」という発言を

信じ込んで、

せっせせっせと対処をしようとします。

 

人というのは、ただでさえ自分が関わった物事に

責任を感じやすい生き物でもあります。

それがある意味健全な育ち方をした証拠でもあるのですが、

強すぎる責任感というのは個人そのものを押し殺します。

責任感が強すぎても、責任自体が重すぎても

人は罪悪感を感じ、それに潰されてしまうのです。

 

責任自体が重い、というのは例えば自分の判断が

過失であったとして誰かの命を奪うことになってしまった

とか、

一人の人生をつぶすことになってしまったとか

そういうことになります。

 

ですので、罪悪感を感じやすい特性があると、

それ自体が正常な判断ができなくなるきっかけとも

なります。

 

誰かが自分の下で研究生として働くことになったとして、

自分の判断次第で正規雇用するかしないかが

決められるとしましょう。

 

罪悪感を感じやすい人というのは、

自分が罪悪感を感じたくないので、

かなりできの悪い研究生だったとしても

「また仕事をしていくうちに育っていくだろう」

と考えがちです。

 

正規雇用ができなかったとすれば、

その研究生は研究生のまま終わってしまうからです。

自分がここで道を切ってしまえば、

自分の責任になってしまう・・・と

考えるからこその判断です。

 

罪悪感というのは、ある時は人に嫌われたくないから

罪悪感を持つ、ということもあります。

この場合だと研究生を切って恨まれたくない、

嫌われたくないからとりあえず道だけ作ってやるのが

自分の責任である、ということを

考えがちです。

 

あるいは、何度も何度も周りの人間に相談して

自分だけが研究生を切ろうとしているのではなく、

周りからも同じような答えを得ようとして

責任を分散させるような態度を見せることもあります。

これは罪ではない、と言わんばかりに。

 

 

 

確かに、研究生を切るのではなく

正規雇用するに値するかしないか、ということを

判断するだけなのですから

値しないということはそれだけの能力がなかった

研究生自身の責任なのですが、

その責任さえも奪いとろうとしてしまうのが

この「罪悪感を感じやすい人」の特徴です。

「まだまだ未熟なのだから、今後育っていくかも

しれないじゃないか」という名分で招き入れ、

結局現場を混乱に陥れてしまうかもしれないということ

まで頭が追い付きません。

このように、他人を積極的に許したり、

やたらと寛容さをみせたりするのです。

 

しかしそれは本当の意味の寛容さでなく、

前述のとおり「恨まれたくないから」「嫌われたく

ないから」とかそういう理由に他なりません。

 

モラハラ被害者の中にも、

当てはまる人も多いのではないでしょうか。

 

ところでなぜ、そこまで積極的に人の責任まで奪いとろう

としてしまうのか?というところなのですが

この働きというのは、

「少しでも、自分が間違っている(罪人である)という

可能性を減らしたい」というところにあります。

 

罪悪感、なのですから当然、

「自分は罪を犯しているのではないか?」

ということを感じやすいということです。

 

つまり、このケースの場合は研究生の出来が

悪かろうと正規雇用しないということは

研究生の道を閉ざすという「罪」を犯すことでは

ないか?

ということを感じやすい、という意味を指します。

その可能性を、罪悪感を感じやすい人は

少しでも減らしたいのです。

それを罪ではないということにしたいのです。

 

しかしその罪ではないともがくその姿自体が

非常に苦しくなってしまいます。

なぜなら研究生に寛容さを見せて正規雇用してもいいと

判断したとすれば、自分の意に反することをしたと

今度はそれが罪(結果的に職場に混乱を招く)という

意識を持ってしまい罪悪感を持ちますし、

かといって周りの人間に「正規雇用できなさそうだが

どうすればいいか」と相談したところで

結局自分が決定したという罪の意識からは逃れられません。

 

しかしその罪の意識を、なんとかして紛らわせたいのが

罪悪感を持ちやすい人の特徴です。

しかしこの罪悪感を持ちやすいという特性は、

責任転嫁する者にしてみればうってつけの

材料です。

どんなことでも罪の意識から逃れたい一心で

引き受けてくれますし、自分の責任まで

背負ってくれるのですから。

 

そして被害者気質の人にとっても、

自分が罪の意識から逃れるため、そして愛を

獲得するために

責任を引き受け右往左往することで

自分の存在意義を確認することができます。

だからこそ両者は共生関係に陥りやすいのです。