モラハラ加害者は離婚したがらない

モラハラ加害者というのはいわゆる

自己愛性人格障害者のことを指しますが、

基本的に心が弱かったり自他の区別がつきにくい

(境界性人格障害者や自己愛性パーソナリティ障害者よりも

自他の区別はついているものの、お節介やきや責任感が

強すぎたりするような、人の仕事と自分の仕事を

区分けできないような)人というのは

基本的に離婚したがりません。

 

それだけ、他人に対する依存度が高いということです。

他人に依存しなければ生きていけません。

これは、他人に寄りかかって生きるような人達のことを

指すようでいて、

他人の世話をしそれを自分の使命のように感じているひと、

つまり相手の世話役であるような顔をして実は相手に

依存しているような人のことも含みます。

 

こういう人は、

「あなたは私がいなくては生きていけないのだ」というような

スタンスで居ながらも、

実際にはそういう世話を焼くこと自体、相手の役割や仕事を

奪うこと自体を使命や生きがいだと思い込んでいて、

それがなくなってしまうと自分の生きがいを失ってしまうから

という意味で相手に依存します。

 

自分が依存しているんじゃないよ!けど、この人は

自分がいないと生きていけないから!という形で

実際には相手に精神的に寄りかかっている、

ということです。

 

 

そしてモラハラ加害者は

その最上級のような依存の形をとりますから、

特に「離婚」という形だけは避けようとします。

そして、依存できればいいのですから、

離婚という形をとっても依存できそうなら

真っ先にその手段をとろうとします。

そしてその手段をとるために有効なのが「モラハラ」で、

「子供は二人の子供なのだから、

自分にも育てる権利がある。そうだろう?」

「子供がいるのだから、片親を引き離すなんて

道理に外れている。そうだろう?」

「もともと家族だったのだから、いつまでも心配するに

決まっているじゃないか。だから、どこで

何をしているかくらいは教えてもらいたい、

いつでも支援できるようにしたいんだ」

「愛しているのだから、このままさよならなんて

とてもじゃないけど受け入れられない」

というような、「常識」とか「愛」、「人の情け」という

ワードを利用します。

 

人間、モラハラ心理でない限りは誰しも良心はありますから、

その良心がつつかれて、「確かに、この人の言う通りだ」と

離婚してもいつまで経っても

そうやってズルズルと関係性を切れないまま

モラハラを受け続けるハメになる人もいます。

 

「常識外れ」と思われたくないような人なのであれば、

「そういう行為は非常識だ」とか

「人として情けがないのか」

というような言い方で引っかかることもありますし、

愛されたいと思っているような人だと

モラハラ加害者の

「離婚したくない、愛しているから」

というような言葉にはコロっと騙されてしまいます。

特に、どういう言葉が相手をつなぎとめるのに有効かというのは

モラハラ加害者自身がいろいろとターゲットに対して

試行錯誤した結果身についてくるものですから、

「愛」という言葉で何度もターゲットが相手のもとへ

返ってしまうようであれば、

何度でも「愛」という言葉を使うでしょう。

 

それが相手をつなぎとめるために有力なワードである

ということを本能的に理解しているからです。

 

また、モラハラ加害者が離婚したがらない

理由の一つに、「投影」も挙げられます。

何度もこのサイトや別のサイトにも登場する心理防衛の

一つであるこの「投影」や「投影性同一視」の働きにより、

「離婚したい」というようなターゲットの言葉は

モラハラ加害者に対してそのままの意味としては

届きません。

 

相手が離婚したいほど苦しんでいる、

それだけモラハラ加害者のことを嫌っている、

というような捉え方ができないからです。

必ずこの言葉は「離婚したいほど苦しんでいると

見せかける、パフォーマンス」とか

「自分に対して何かを企んでいて、

それを達成したいために言っているだけの言葉」

というような認識しかしません。

 

なぜなら、嫌われている自分というものを認識できるほどの

正常な判断や欠けた自分を認識できる精神力もなければ、

相手が辛いであろうと考える共感性もなく、

 

また自分が離婚というワードを出すときは、

まさに離婚したほど苦しんでいると

見せかけるパフォーマンスのときに使うだけの

ものでしかないからです。

 

 

本気で離婚したいと思って離婚したいと言う

モラハラ加害者はいません。

「離婚したいほど胸糞悪い」というような感情は

ありますが、心の奥底には

必ず「これで言うことを聞かせてやろう」とか

「これで自分がどれくらい辛いのか分からせてやろう」

という算段があります。

 

ですからパートナーが離婚したいと思っていても、

それを本当の言葉だと思うことができないのです。

 

ストーカーがフラれたという認識ができずに、

拒否している相手に対して

「本当は自分と家族になりたいと思っているんでしょう」

「自分の気持ちに嘘をつかなくてもいいんだよ」と

拒否の言葉が全く届かないのと同じことで、

モラハラ加害者も離婚したいという相手の言葉が

全く心に届くことはありません。

 

届いてしまうと、

嫌われている自分やそこまで辛い思いをさせてしまった

相手への感情にも気が付かないといけませんし、

相手が自分よりも辛い思いをしているのだ、というような

事さえ認めなくてはなりませんから

それだととても都合が悪いことになります。

 

ですから、離婚したがらないというよりは、

まず離婚したいという相手の気持ちが

理解できず、

まるで離婚したいと言われたにも関わらず

離婚という選択肢はまず考えていないような

話し方をし、

相手も離婚ということは本当は考えていないかのような

口ぶりで話をします。

 

例えば今後の生活の話をしたりなど。

「いや、今後の生活じゃなくて、

別々に生活したいという話をしているのだけど」という

趣旨の話をターゲットがしても

「いや、じゃあどうすればいいっていうんだよ」と

急に怒り出して威圧的になったり、

「それだけ追い込んで楽しいの?」と言ったり。

「離婚したい」というような話題や話し合いは

まるでどこかへ飛んでいってしまったような、

軸がいつもブレて話し合いにもならないような、

そんなやりとりしかできません。

 

ターゲットがよく言う「話し合いにならないんです」というのは

愛しているから別れたくない一点張りというよりは、

別れたいという気持ちすら受け止められない弱い心が生み出す

「いや、お前がそんなに辛いわけないじゃない」

という決めつけがもとで、

「いや、お前が本当に別れたいわけないし、

自分だって別れたくはないんだから、

これから自分も改めるからちゃんと仲良くしようよ」

という、到底仲良く出来なさそうなその

共感性のなさゆえに、

 

まるで地球人以外を相手にしているかのような

「話し合いにならないんです」

という諦めのセリフしか出てこなくなります。