母親の共感的態度の重要性

自己愛性人格障害者の幼少期に

母親がどう関わっていたか?という研究は

いくつか挙げられていますが(父親はどういう

関わりをしてきたか?ということも同様ですが)、

その中でも母親の非共感的・非受容的な態度は

自己愛的性質を高めるという研究結果も存在します。

 

当然では?ともいえますが、

非共感的態度をとられると、

「共感してほしい」ための試行錯誤を

子供がし続けなくてはならないことも一つ

要因として挙げられるでしょう。

そして「受容的でない」のであれば、

それはそれでも受容してもらうための

工夫をし続けなくてはなりません。

 

そうでなければ、誰も自分のことを

受け入れようとしてくれず、

誰も共感してくれないということになります。

「誰も」というのはそれだけ親という存在が

子供にとって絶対的で非常に重要な存在であるからです。

その存在が受け入れてくれる、その感情を

自分の中に取り込むからこそ

子供は自分の中に「自分を大切にする」という

基本的な自分への愛情を持つことができます。

 

しかし非共感的・非受容的であると、

その感情を自分の中に取り込まなくてはならず、

「自分を許せない・受け入れられない自分」を

自分の中に飼い続けることになります。

 

しかし、それ自体は自分を守ろうとする心、

ストレスを回避する

そのシステム自体の強化につながり、

 

許されない・受け入れられない未熟な自分とバランスをとるために

どれだけ自分が優秀で、正義感にあふれていて、

皆から尊敬されるような人物である・・・ということを

思い込まなくてはならなくなります。