自他分離が出来ていない

自己愛性人格障害者というのは

自他分離が出来ていない人たちのことです。

 

なぜ他人をコントロールしようとするかというと、

自分自身がコントロールできないと

腹を立てるのと一緒で、

 

自己愛性人格障害者自身は他人も

自分自身だと思っているから、

相手をコントロールできないと

腹を立てるんです。

 

「お前らは自分の一部だろ??

なんで思い通りに動かないんだ!」と・・・

むしろ思い通りに動くのが

当たり前だろう?だってそれが道理だろう?

モラルだろう?というわけです。

 

おかしいですよね。他人なのになぜ

他人が思い通りに動いてくれると思っているのか?

動かせると思っているのか?

 

それは、他人を他人として認識していないからと

いうことになります。

 

これ自体は異常ではありません。

なぜなら幼いころの母と子と一緒だからです。

 

子供が思う母の姿と一緒、

ということですね。

子供はとにかくよく泣きます。

なぜかって、思い通りに親が動いて

くれないからです。

 

なぜ一緒にいないんだ、なぜ離れようとするんだ、

なぜ自分を同じ考えじゃないんだ、

早く乳をよこせ、

そのおもちゃをよこせ、それじゃない、

早くだっこしろ・・・

こどもは母親を自分の一部だと信じ込んで、

とにかく離れないように、

自分を養育するように脅迫してくるわけです。

 

ですからそれ自体は、

子供が大人に成長するのに

必要な段階ということになります。

 

ところが、自己愛性人格障害者はもう

こどもではないわけですね。

 

こどもではないのに、

自他の分離ができておらずに、

いつまでも感覚はこどものままで

相手をコントロールできると

思っていること自体が

大問題になってくるわけです。

 

しかもコントロールしたいと

思っている相手は母親でもなんでも

ありません。

なんの関係もない一人の青年であるかもしれませんし、

パートナーとなった女性かもしれません。

自分の夫かもしれませんし

自分の長女かもしれません。

 

自他分離が阻害されてしまうと、

自分と他人の境界線や踏み込んでいい

領域といけない領域があるという感覚が

まったく分からず、

相手をコントロールするためだけに

他人の領域にズカズカと土足で

入ってゆきます。

 

また、他人と自分の境界線がわからないので、

自分は自分、他人は他人であるという

事実が分からず、

自分自身を相手に投影してしまいます。

 

特に自分自身の醜い部分だけを

相手に引き受けてもらうのです。

ですから醜い自分の考えを持っているのにも

関わらず、

あいつはあんなに醜い考えを持っている・・・

と相手のせいにしてしまいます。

 

「お前、こんなこと考えてただろう」

「お前、この問題をこっちに押し付けようと

しているんだろ!」と

被害者はそんなことまったく考えて

いないのに決め付けているのは、

自分の醜い考えを相手に投影しているからです。

 

自分自身が、「この問題は相手に

押し付けてやろう」と考えているからです。

 

しかもそれは自分の考えている醜いこと

そのものなので、

「こいつはこの問題をこっちに

押し付けようとしている!間違いない!」

と確信に変わります。

 

相手の考えなんて誰にも分からないはずなのに、

自己愛性人格障害者が自信満々に

まるで超能力者のように

「お前は今こんな醜いことを

考えていた!」

とはっきりと断言するのは、

実はそれは自分の心の中を紹介しているだけなのですから。

 

 

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